渡辺月についての話。
アニメ業界だったりアイドル業界だったり「僕っ娘」ってトレンドの1つですからねぇ……
まぁ僕はそういうのに萌えない質の人なんですけど。
そんなこんなでラブライブにもついに僕っ娘が。
そう、劇場版で初登場だった渡辺月です。
彼女は渡辺曜のいとこにあたる関係性で浦の星女学院統合先の学校の生徒会長。そして幼少期はイタリアに住んでいたという超てんこもりハイスペックキャラ。声優は黒沢ともよさんです。
今回の劇場版におけるキーパーソンの1人です。間違いなくそうなんですよ。
でも1回見終わって「?」が付く人も多かったと思うんです。実際僕自身も最初はそうでしたので。「予告編で引っ張ってた割には……ん……?」みたいな。
彼女はどういった命を受け、あの世界に生まれたのか。あの作品での立ち位置はなんだったのか。少し考えてみたいと思います。
今回この渡辺月を考える上で1つ覚えておいてほしい事があります。
それが彼女の名前である「月」に関する事。
「ムーン」というタロットカードがあります。名の通り「月」を表す1枚。
タロットカードにはそれぞれ正位置と逆位置で異なる意味を持ちます。
今回はこの「ムーン」のカードが持つ意味を軸に渡辺月というキャラを考えていきたいと思います。
それでは「ムーン」のタロットカードの意味合いを見てみましょうか。
そもそも月のカードは曖昧な状況や不安定な心理状況を表すものなんです。
ですがその意味合いは正位置と逆位置により大きく変わっており、
正位置では不安定な状況や落ち着かない関係、曖昧ではっきりしない心境などを表します。また、悲観的に考えてしまい、気持ちに不安や悩みが生じてしまう事を意味しています。
それに対し逆位置では不安定な状況や混乱した状況を乗り越え、明るい可能性のある将来が見えてくること。ハッキリしなかったことが次第に明瞭になり、成功を収められる事を意味しているのです。
まさにこの意味達が今回の映画の起承転結そのものを表してると思うんですよ。
渡辺月というキャラクターがこういった力を持っていると頭に置いた上で映画を見るとなんとなくああいった立ち位置だったのが分かってくると思うんですね。
物語の始まりは間違いなく正位置からでした。3年生が卒業し6人となり新たなスタートを切ったAqours。不安を抱えたままステージに立ち失敗してしまう。そこから自分達の答えを導き出し、その状況を乗り越えた。
そこには常に渡辺月がいました。彼女こそがAqoursを導いていた先導者なのです。
では劇中で正位置と逆位置をどう表現しているのか。
それは渡辺月自身の心情。
彼女はイタリアでのライブを見た辺りから明らかに変わってきています。イタリアから帰国後自身の学校からも協力者が出てきたり、その後の聖雪と水の決勝延長戦では完全にトドメを刺されたというか、大切な事に気付かされています。
Aqoursの道もイタリアでのライブから大きく動き始めます。つまり元々正位置にあったカードをAqoursは自身の力で逆位置にしたという訳なんです。
つまり
Aqoursの歩む道=渡辺月が抱えたもの
という事。
ここがイコールで繋がってるので渡辺月が劇場版で如何に重要な立ち位置だったのかが分かると思います。
Aqoursは6人体制となった事に対し不安を抱えたままライブに臨み失敗してしまう。そんな所で出会った先導者。彼女自身からは助言などはなくでも立ちはだかる壁には手を貸してくれる。そしてAqoursは自分達の答えに辿り着く。
まだなんか持ってそうなんですけどね……彼女は……
最後におしらせを1つ。